ヒンディー語を学びたいと思っても、その文字が一見複雑で手を出しにくいと感じるかもしれません。しかし、実はしっかりとしたシステムがあり、一つ一つの文字やその形、音が論理的に組み立てられています。この記事では、ヒンディー語の文字の一覧表、それぞれの文字の書き方、そして覚え方について詳しく解説しています。これらの情報を使えば、ヒンディー語の文字を効率的に学び、自信を持って使えるようになるでしょう。
ヒンディー語の文字一覧表
अ (a) | आ (aa) | इ (i) | ई (ii) | उ (u) | ऊ (uu) | ए (e) | ऐ (ai) |
ओ (o) | औ (au) | अं (am) | क (ka) | ख (kha) | ग (ga) | घ (gha) | ङ (nga) |
च (cha) | छ (chha) | ज (ja) | झ (jha) | ञ (nya) | ट (ṭa) | ठ (ṭha) | ड (ḍa) |
ढ (ḍha) | ण (ṇa) | त (ta) | थ (tha) | द (da) | ध (dha) | न (na) | प (pa) |
फ (pha) | ब (ba) | भ (bha) | म (ma) | य (ya) | र (ra) | ल (la) | व (va) |
श (sha) | ष (ṣa) | स (sa) | ह (ha) | क्ष (kṣa) | त्र (tra) | ज्ञ (gya) |
この表には、ヒンディー語のアルファベットの全46文字(11の母音字と35の子音字)が含まれています。
ヒンディー語の文字数
ヒンディー語の文字はデーヴァナーガリー文字を使用します。デーヴァナーガリー文字は、以下のように構成されます。
- 母音 (Vowels): 基本的に11の母音がありますが、それぞれの母音には長音と短音のバリエーションがあるため、合計で20の母音音があります。
- अ (a)
- आ (aa)
- इ (i)
- ई (ii)
- उ (u)
- ऊ (uu)
- ए (e)
- ऐ (ai)
- ओ (o)
- औ (au)
- अं (am)
- 子音 (Consonants): 基本的に33の子音があります。ただし、ヒンディー語では特定の子音の組み合わせによって、合成子音(コンソナントクラスター)が作成されるため、実際の子音の数はもっと多くなります。ह (ha)の後、क्ष (kṣa), त्र (tra), ज्ञ (gya)は、それぞれ特殊な子音クラスター(合字)であり、特定の場合に使用されます。
- क (ka)
- ख (kha)
- ग (ga)
- घ (gha)
- ङ (nga)
- च (cha)
- छ (chha)
- ज (ja)
- झ (jha)
- ञ (nya)
- ट (ṭa)
- ठ (ṭha)
- ड (ḍa)
- ढ (ḍha)
- ण (ṇa)
- त (ta)
- थ (tha)
- द (da)
- ध (dha)
- न (na)
- प (pa)
- फ (pha)
- ब (ba)
- भ (bha)
- म (ma)
- य (ya)
- र (ra)
- ल (la)
- व (va)
- श (sha)
- ष (ṣa)
- स (sa)
- ह (ha)
- क्ष (kṣa)
- त्र (tra)
- ज्ञ (gya)
- 母音の修飾記号 (Vowel diacritics): ヒンディー語の子音は、それ自体で ‘a’ の音を含んでいます(例: ‘क’ は ‘ka’ と発音されます)。他の母音で子音を修飾するために、母音の修飾記号が使用されます。母音は文字そのものとして存在するだけでなく、子音文字の上、下、前、後に付加される修飾記号としても存在します。以下は、ヒンディー語の母音修飾記号の一覧です。
- ा (aa)
- ि (i)
- ी (ii)
- ु (u)
- ू (uu)
- े (e)
- ै (ai)
- ो (o)
- ौ (au)
- ं (an)
- ् (halant/virama)
- । (danda)
- ॥ (double danda)
- ॰ (abbreviation sign)
- ० १ २ ३ ४ ५ ६ ७ ८ ९ (0 1 2 3 4 5 6 7 8 9)
- 特殊文字: デーヴァナーガリーには、数字や句読点などの特殊文字も含まれます。
- ं (an) – ナスィカ (Anusvar): これは、その前の文字に鼻音を加えます。例えば, ‘स’ (sa) に ‘ं’ (an) を加えると ‘सं’ (san) になります。
- ँ (an) – チャンドラビンドゥ (Chandrabindu): これも鼻音を示しますが、通常は音楽や詩などの特定の文脈で使われます。
- ् (halant/virama) – ヴィラーマ (Virama): これは、その前の文字の母音 ‘a’ を取り除きます。例えば, ‘क’ (ka) に ‘्’ (virama) を加えると ‘क्’ (k) になります。
- । (danda) – ダンダ (Danda): ヒンディー語の文末に使われるピリオドのような記号です。
- ॥ (double danda) – ダブルダンダ (Double Danda): パラグラフの終わりを示す記号です。
- ॰ (abbreviation sign) – アブリヴィエーション・サイン: 通常は古文書や宗教的なテキストで見られる、省略された言葉を示す記号です。
- ० १ २ ३ ४ ५ ६ ७ ८ ९ (0 1 2 3 4 5 6 7 8 9): ヒンディー語の数字です。
したがって、ヒンディー語の文字数は以下の通りです。
- 母音: 11 (基本) / 20 (長音と短音を含む)
- 子音: 33 (基本) / その他多数 (合成子音を含む)
- 母音の修飾記号: 10
- 特殊文字: 数字、句読点など
このため、ヒンディー語の基本的な文字数は、11の母音、33の子音、10の母音の修飾記号、で合計54ですが、長音、短音、合成子音、特殊文字などを含むと、実際の文字数はそれよりも多くなります。
ヒンディー語の文字の書き方
ヒンディー語の文字の書き方は以下のポイントに注意してください。
- 筆順: ヒンディー語の文字の筆順は、通常左から右へと進みます。ただし、文字によっては、上から下にストロークを進めることもあります。
- 一筆書き: ヒンディー語の文字は、できるだけ一筆書きで書くことが推奨されます。つまり、ペンを紙から離さずに、一つの文字を書き終えることが理想的です。
- 線の連結: ヒンディー語の文字は、上のライン(シローレーキャ)で連結されます。これは、文字を書く際のガイドラインとして使われます。
- 文字の形: ヒンディー語の文字は、それぞれ特定の形を持っています。この形を覚え、正確に再現することが大切です。
- 母音の修飾: ヒンディー語の文字は、母音の修飾記号を使って、子音を修飾することができます。例えば、’क’ は ‘ka’ と発音しますが、’कि’ は ‘ki’ と発音します。このような修飾記号を覚え、適切に使用することが重要です。
以下は、ヒンディー語のいくつかの基本的な文字とその書き方の例です。
- क (ka): 上から下へと一筆で、左上から右下に向かって書きます。その後、上のラインを左から右に引きます。
- ख (kha): ‘क’ と同様に、上から下へと一筆で書きます。その後、上のラインを左から右に引き、下部に小さなループを作ります。
- ग (ga): ‘क’ と同様に、上から下へと一筆で書きます。その後、上のラインを左から右に引き、右下に小さなループを作ります。
ヒンディー語の文字は、練習を重ねることで、徐々に書き方を覚えることができます。また、インターネットで検索すると、ヒンディー語の文字の書き方を示すビデオや図解がたくさんありますので、それらのリソースも活用してください。
ヒンディー語の文字の覚え方
ヒンディー語の文字の覚え方は以下の通りです。
- 基本のアルファベットに慣れる: ヒンディー語のアルファベットは、11の母音と35の子音から成り立っています。まず、これらの基本的な文字とその発音に慣れることが大切です。
- 文字と発音の関連付け: ヒンディー語の文字は、それぞれが特定の発音を持っています。文字とその発音をしっかりと関連付けて覚えましょう。
- 母音の修飾: ヒンディー語の母音は、子音の後につけることで、その子音を修飾することができます。例えば、’क’ は ‘ka’ と発音しますが、’कि’ は ‘ki’ と発音します。このように、母音の修飾に慣れることも重要です。
- 繰り返し練習: ヒンディー語の文字を覚えるには、繰り返し練習が必要です。毎日少しずつ、文字を書いたり、読んだり、発音したりすることで、徐々に覚えることができます。
- フラッシュカードを使う: ヒンディー語の文字とその発音をフラッシュカードに書いて、それを使って練習することも効果的です。
- アプリやオンラインリソースを利用する: スマートフォンのアプリやオンラインのリソースを利用することで、効率的にヒンディー語の文字を覚えることができます。
- ヒンディー語の音声やビデオを聴く: ヒンディー語の音声やビデオを聴くことで、実際の発音に耳を慣らし、文字と発音の関連を強化することができます。
- 日常での利用: ヒンディー語の文字を日常で使うことも大切です。例えば、ショッピングリストやメモをヒンディー語で書くことで、自然に文字を覚えることができます。
まとめ
ヒンディー語の文字は、最初は複雑に見えるかもしれませんが、しっかりとしたシステムに基づいています。この記事で紹介した一覧表、書き方、覚え方の方法を使えば、ヒンディー語の文字に慣れるのに役立つでしょう。規則性を理解し、練習を重ねることで、ヒンディー語の文字に親しむことができるでしょう。これからも、ヒンディー語学習に取り組む際に、この記事を参考にしてください。
この他にも、「ヒンディー語の基礎」などでヒンディー語の学習ができますのでよろしければご覧ください。
参考文献:Hinkhoj_辞書_文字